2021年5月30日日曜日

西洋鍛冶屋さんを訪ねて 後編



西洋鍛冶Kaji-fufuさん(滋賀の工房)を訪ねて その2
※昨日のご報告の続きです。

西洋鍛冶 Kaji-fufu
(ショップは京都、今回訪ねた工房は滋賀にあります)

ラピュタの世界に出てきそうな趣ある工房で、倉内さんから鍛冶屋さんのお仕事について、見せていただいたり色々お話をうかがったあと、実際に私も体験させていただけることになりました。
簡単なもので、ということで、ペーパーナイフを棒から叩き出す作業です。




しかし・・・すべてが初めてのこと。
ハンマーが重い!
鉄は熱いうちに打て!
叩き出すポジション大事!
という多重のタスクがいちどに押し寄せて、パニック!
想像以上に大変な作業。炉の熱さで汗をかくのではなく、大量の冷や汗が・・・💦


へっぴり腰で苦戦するSally Lunn・・・

でも、倉内さんのご指導のおかげで、そして憧れの鍛冶作業に感激しながら、なんとか形にすることができました。
自分で叩き出したナイフは、ずっと作ってみたかったので、嬉しいです。





倉内さんがナイフの持ち手部分の叩き出し方を模範で見せてくださいました。
アンヴィルの先端のほうを利用して形成してゆくさまに、なるほど!
燭台の持ち手と同じ形になります。
倉内さんが「ねずみのしっぽ」と呼んでいらしたのが、かわいい♡
さまざまな鍛冶作業に対応させるため、工具をご自身で作られることもあるのだそう。


そして、実際に自分でやってみると、そりゃそうなんですが、改めて鍛冶屋さんのプロの技術の高さに驚かされます。
見えていなかった魔術の凄さが見えてくる・・・というのか。
燭台の持ち手の部分の巻き装飾ひとつにしても、こんなプロセスで作られていたのか、と驚かされるし、手で叩き出すという作業でしか生み出せない微妙なゆらぎも、単なる味わいではなく、すべての工程のなかから生まれた必然性みたいなものにも見えるし、物質というものは今私たちの世界で存在している姿は永遠ではなくて、ほんのかりそめのものに過ぎないのかもしれない、とか思ったり。
自分の感覚を変えさせてもらえたことが、ほんとうにおもしろかったです。
そして、これは実際にやってみないと得られない感覚だけれど
火に鉄を突っ込んで、やわらかくして、それを火から出した瞬間の「何か大いなるもの」に触れたような感じ。
これは、なんだろう。
阿部謹也さんの言葉をお借りすれば、大宇宙(マクロコスモス)が、わたしたち人間界の小宇宙(ミクロコスモス)に舞い降りてきた瞬間を、この手でつかんだ
みたいな感じなのでしょうか・・・
この感覚は、なんども体験したいと思いました。

音楽活動と並行して活動しているアノニマス舎のコンセプトが「原初的体験による、新しい気づき、感覚の目覚めと回帰」という矛盾しているかのような言葉なのですが、まさに、こういうことなんだな、としみじみ感じられて、それもまた嬉しい体験でした。
糸つむぎにしろ、織りにしろ、今年に入ってから、いろんなプロフェッショナルな方々のお仕事を間近に見せていただき、自分でもその入口を体験させていただけて、学ぶことばかりです。とても貴重でありがたいことです。
これからも、いろいろな手仕事を通じて、中世の人々の感覚を探求してゆきたいなと思っています。
その延長に、今回のような鍛冶屋と糸つむぎセットの提供があり、五月祭があり、中世晩餐会があり、畑仕事があり、中世の音楽があり・・・
まだまだやってみたい、体験したいことは、たくさんあります。
もちろん私がやることは、どれもほんの入り口で中途半端かもしれないし、一人でできることなんて、とってもちっぽけだけれど。
でも、少しずつでも扉を開き、みんなとシェアすることで、自分の内なる感覚と生み出すものと世界とが、絶対的な安心感のなかで循環してゆくような、なにかそんな風なところへの、どこかの道に繋がってゆくといいなぁと思っています(漠然としていてすみません・・・)





最後に、鍛冶仕事を教えてくださったお礼に、倉内さんに糸つむぎを体験していただきました。
さすが、道具の扱いに普段から慣れていらっしゃるからか、コツをつかんでスルスルと糸にされていました。

そして、この場にほんとうは居合わせていただきたかった、北海道に住んでいる音の鍛冶屋さんことハンマーダルシマー奏者の小松崎健さん。その代理として、バッグパッカーダルシマーをアンヴィルの上に座らせてパチリ!
いつか、健さんもこの鍛冶場にお連れできる日を夢みています。




制作でお忙しいなか、貴重な時間をいただき、素晴らしいお仕事を見せてくださり体験させてくださった、西洋鍛冶Kaji-fufuさん ほんとうにありがとうございました。




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夏至のキャンドルナイト企画
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ー陰翳のゆらぎー
鍛冶屋と糸つむぎ1stアルバム
鉄の燭台と蜜蝋キャンドルセット
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内容
・「鍛冶屋と糸つむぎ」1stアルバム
・西洋鍛冶 鉄の燭台
・手つむぎ灯芯 蜜蝋キャンドル「ジメル"Gymel"」
※燭台と蝋燭は、一つひとつが手作りのため、多少の個体差があります。ご了承ください。

価格 6500円(送料別)
お申込み締切日:5月31日(月)まで
発送:6月15日より順次
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<ご注文方法>
①お名前
②郵便番号
③ご住所
④お電話番号
⑤個数
を明記の上、下記連絡先までお申し込みください。
〇商品到着後、同封のお支払明細書に記載の口座(ゆうちょ)にお振込みをお願いいたします。
.<連絡先>
アノニマス舎
crab8apple@yahoo.co.jp 小木曽
タイトルに「かじいとセット」と入力して送信してください。








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燭台制作:西洋鍛冶Kaji-fufu(倉内南)
素材:鉄、蜜蝋仕上げ
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蜜蝋キャンドル制作:アノニマス舎
素材:オーガニック和綿(灯芯)、蜜蝋(愛知県産)
燃焼時間:40分前後(無風状態)
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「鍛冶屋と糸つむぎ」アルバム収録曲
・Stella Splendens
・Improvisation
・Tant m'adelis joys et amors e chans
・Scarborough Fair
・Virgen madre groriosa
・Los set Goyts
・Rompi rompi
・Gwerz Marv Pontkalleg
・Santa Maria strela do dia
モンセラートやカンティガの中世古楽の有名曲からトラッド、インプロまで、打弦と撥弦の響きが絡み合う美しい響きの9曲
ハンマーダルシマー:小松崎健
プサルテリウム:Sally Lunn


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